ミューズ・セッション エピソード5

 October 29, 2021
カテゴリ: ミューズ・セッション

わたしと天然石の出逢いからの
ストーリーをお話しさせていただきますね。

エピソード.5

「売るのが苦手だった私」が販売を楽しめるようになるまで

ワイヤージュエリーを作り始めて、3年ほど経った頃のこと。
ある日、近所の手芸屋さんでアーティスティックワイヤーを見つけ、
何気なく「ワイヤーワークの教室ってあるんですか?」と聞いてみました。

すると、お店の方が、私の身につけていたワイヤーペンダントを見て
「ぜひ、先生になってください」と逆にお願いされたのです。

まさかの展開に驚きながらも、
「これはご縁と勉強のチャンスかも」と思い、
2〜3年間、そのお店で講師を務めることになりました。

今では“幻の講師時代”なんて笑って振り返りますが、
当時の生徒さんが喜んでくださったこと、
そして自分自身もとても楽しめたことが、心に残っています。

その後は「誰かのために丁寧に作る」制作に専念したいという気持ちが強くなり、
講師の仕事は終えましたが、とても貴重な経験になりました。

制作の世界では、「作る」だけでなく「売る」こともセットになってきます。
ですが、これがなかなか難しいのです。

材料を買って、自分で作って、そして自分で売る。
誰かが売ってくれるわけではなく、
自分の技術やセンスに“値段”をつけるというのは、
とても勇気のいることでした。

「この値段でいいの?」
「私なんかが売ってもいいのかな?」
そんな気持ちがいつもどこかにあって、
自分の作品を堂々とおすすめすることができませんでした。

そんな私が“販売って楽しい”と思えるようになったのは、
ある出会いがきっかけでした。

日本各地から素敵なお洋服や雑貨を集めて販売している
セレクトショップのご夫婦から声をかけていただき、
お洋服の販売イベントの期間中、
私のジュエリーも一緒に並べていただけることになったのです。

不思議なことに、その場では
自分の作品ではない“洋服やバッグ”のことまで聞かれることがあり、
私はごく自然に、お客様にその魅力を伝えることができました。

「自分のものじゃないと、気楽に話せる」
これが、思いがけない大きな気づきでした。

その経験から、私は自分の作品を販売する時も、
少し気持ちの距離をとってみることにしました。
「まるでセレクトショップの商品を紹介するみたいに」。

すると、不思議と気持ちが楽になって、
今では「販売」が大好きになったのです。

販売が苦手、値段をつけるのが怖い。
そう思っている方はきっと少なくないと思います。

でももし、
「これは自分が作ったものじゃない」と思ってみたら、
案外すんなり人に伝えられることがあるかもしれません。

あなたの得意なこと、誰かのためになること。
ちょっとだけ気持ちを緩めて、
“販売ごっこ”のような感覚で始めてみるのも、いいかもしれませんね。

 

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お読みいただき
ありがとうございました。
長谷川真由美
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